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【マンガ】女の子が死ぬ話 バッドエンド確定の救いはあるのか?【レビュー】

響~小説家になる方法~
の作者、柳本 光晴の短編

響の紹介はこちらから↓
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遥というキャラクター性

響ほどではないが芯の通ったキャラクター

病気に対して強く立ち向かう姿勢に好感がもてる
だが15歳の女の子にたいして死の病という現実が重くのしかかる
そんな逃れられない早すぎる死の到来が彼女の魅力を引き立たせる

余談だが作者の好きなタイプの女性像なのだろうか
非常識で人を振り回す傍若無人な一面をもっている
かつて著者が涼宮ハルヒの同人誌を描いた内容もハルヒメインの話だった
ただその内容は原作よりも人間味の描写が強めに出ていたが・・・

胸糞展開ではないが

タイトルでネタバレなのだがヒロインの遥は死ぬ
死ぬまでの時間をどう生きるのか
という点が本作の見所だ

話の序盤はヒロインの遥が死ぬとわかって読んでいるため、貝殻を渡すシーンでは
「あーそうなるよね」
と感じてしまう

所々に遥の死を予感させる描写をみせるが友人である千穂は気づかない
そういった互いの認識の違いからうまれる、すれ違う想いがどこに着地するのか
という点も見所だ

登場人物たちの人生観に大きな影響を与えることになる遥
後半のエピソードでは彼女の視点で話が進んでいくことになる
死ぬとわかっていても

ここまで彼女をかわいそうに描くのか

と感じてしまった
白黒マンガで構成される陰と陽の使いかたに
悪意すら感じる表現技法
それが本作にみてとれる

1人、死を受け入れ病室で眠りについている遥
夢のなかで1学期の間だけつくれた充実した高校生活の思い出をみる遥
目を覚ますと暗い病室でやせ細った自身の手をみる遥
この夢となんの希望もない現実をみせる展開はゾッとした印象をうけた

胸糞展開というべきではない
なぜなら怒りの矛先は誰にも向けられないからだ
病気という誰にもでもあらわれる死の兆候には戦いようもない
そのため本作を読んで気持ちをどこに落ち着かせればよいのか
その点はいくつかあるのだが読んで確かめて欲しい

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